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やさしい航空技術ー空力設計


構造・装備との調和

物体に気流があたると、おおむね物体表面に沿って(*)流れます。ある微小面積 には気流が物体表面に沿って流れることによる摩擦力がかかります。

(*後端付近では気流が物体に沿って流れず剥離する。この付近は傾斜大なので、摩擦抗力成分は小さい。

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抗力
初期設計
外形形状
揚力
安定操縦

摩擦抗力

摩擦抗力の発生

傾き小ならほとんど同じ

微小面積にかかる摩擦抗力

微小面積にかかる摩擦力

微小面積

一様流

飛行機表面近傍の流れも同様に当初、摩擦抗力の小さい層流ですが、やがて機体表面の僅かな凹凸や圧力変化の影響を受けて、不安定化が促進され乱流となります。 乱流の摩擦抗力は大きいので、層流の範囲をできるだけ拡げて抗力を減らすことが抗力減少に有効です。翼の流れを極力層流に保つ層流翼断面は第2次大戦中の飛行機に使われ始めました。
しかし、当時の層流翼は工作精度の悪さのため、また表面に僅かな凹凸(虫の付着、錆も含む)があると十分な性能を発揮しませんでした。

境界層を平板の先端から詳しく調べると、境界層は先端から徐々に肥厚して行きます。はじめは面に平行な流れの層流境界層ですが、やがて上下の速度成分も持つ乱流境界層となります。

境界層厚さ

層流から乱流へ遷移

乱流境界層
→摩擦抗力係数大

層流境界層
→摩擦抗力係数小

一様流

一様流

境界層をもう少し詳しく調べると

簡単のため 微小面積部を一様流に平行な平板とみなし、その付近の気流速度を真横から見ると、
表面に接する流体は、粘性のためそこに付着し、外側表面近くの流れは減速されます。表面から多少離れたところでは、一様流と同じ流速になります。粘性のため減速された流体の層は境界層と言います。







境界層

境界層

摩擦応力τ (面積あたりの摩擦抗力)

一様流

最新の境界層解析ーホンダジェット

微小面積部の摩擦抗力は
(摩擦応力)x(微小面積)x(その傾きの余弦成分)、
物体全体の摩擦抗力は、これを物体全表面積にわたり加え合わせたたものになります。


抗力全般
圧力抗力
摩擦抗力
誘導抗力
初期設計
外形形状
揚力
安定操縦
構造・装備との調和
抗力

誘導抗力

ホンダジェットは、より実用的な層流翼断面を設計しました。 さらに胴体も広範囲に層流に保つ機首形状を、計算解析と風洞試験を駆使して求めるとともに表面は極力平滑化し、胴体の摩擦抗力を乱流の場合に較べ10%減らしています。

抗力全般
圧力抗力
摩擦抗力

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