NLF(Natural Laminar Flow)自然層流翼は特別の装置なしで、翼面の気流が広範囲に層流を保つように、翼断面形状を工夫したものである。気流の流れ方向に圧力が下がるような翼上面の圧力分布にすると、層流を保ち易い。その範囲を翼弦の出来るだけ後ろまで保つと、層流の範囲が広くなり摩擦抗力が減少する。そのため、翼断面厚さを徐々に増し、最大厚さ位置を前縁から翼弦の40〜50%付近にしている。層流翼型でないある翼断面では、最大厚さ位置が前縁から翼弦長の30%付近である。 |
LFC(Laminar Flow Control)は、翼断面全体にわたり 0.0050 〜0.0100mm程度の小孔をあけ、翼表面にごく近くの気流層(境界層)の空気を吸い込む。境界層の空気を吸い込むことで、層流境界層の状態を保ち摩擦抗力を減少させる。翼断面全体にわたり小孔をあけ、空気を吸い込む装置が必要である。 |
HLFC(Hybrid Laminar Flow Control)は、NLFとLFCを合体し、吸い込む気流量を減らしシステムを簡略化している。一部にLFCを適用、一部はNLFの状態なので、Hybridという語を付している。小孔を開ける範囲が狭いので、製作上、整備上利点が多い。 |
翼上面圧力を比較すると、図のようになる。 |