ボーイング社民間航空機部門にとって、次のいくつもの出来事のため、この夏は猛烈に忙しかったようだ。
・ この8月にロールスロイス・エンジン搭載ボーイング787の型式証明が承認された。
・ ボーイング747-8F貨物機の型式証明が承認された。
・ 性能向上型ロールスロイスPackage B トレント1000エンジン搭載ボーイング787の飛行試験実施中。
・ 2機のジェネラルエレクトリック・エンジン搭載ボーイング787の飛行試験実施中。
・ 年末に向けてボーイング747-8I 旅客機の型式証明承認に向けての飛行試験実施中。
・ 飛行管理システムの改良を評価するため、ボーイング747-8F貨物機の飛行試験実施中。
・ そして、ボーイング重役会における737MAXプロジェクトのローンチ決定
ボーイング787型式の証明取得のための飛行試験期間は、初飛行以来20ヶ月要した。当初計画は9ヶ月、
2430時間であった。また、ロールスロイス・エンジン搭載ボーイング787としては、3790時間飛行した。
787にとっての現在の課題は、更なる契約確保よりむしろ、円滑な機体引渡しであろう。787の受注機数は現在
827機、新規受注は無く20機のキャンセルのため1年間では減少する。計画している空前の生産高にもかかわらず、
2019年には既に売り切れていることを意味する。
次のボーイングにとっての厳しい課題は、生産立上げの管理である。2013年後期に1カ月あたり10機に達するよう
徐々に生産高を押し上げると言う。そこに達するには、リスクなしはあり得ない。
787と747-8の納入開始はまた、会社にキャッシュフローのもどりを加速するのに重要である。資金締め付けは、
737後継機として、ボーイングが737エンジン換装程度に留める選択を強いられた理由の一つだ。新規開発設計なら、
100〜120億ドルかかるというから、これに比べると遥かに安い。しかし、これで競争相手のA320NEOに対抗できるだろうか。
Aviation Week & Space Technology/AUGUST 22, 2011 p34-35
Boeing News Releases AUG.30, 2011
この夏、ボーイング社民間航空機部門の動き